店のドアを開けるとフワッ と広がる花の香り。
最近の香りの主役は‘ヒヤシンス’。
ストックやユリなど、他にも香りの強い花がお店には
ありますが、ヒヤシンスが咲き始めると、この花の香り
しか感じなくなるほどです。
今日は天気もよかったので、ガラス越しに光が入って
店内は、暖かくて春のようでした。
そのせいか、桜やアマリリスなどの蕾が大きく膨らんで
少し咲き始めました。
特にヒヤシンスの香りが日々増していて、花も満開に
なりそうです。
ヒヤシンスは切花も鉢植えも、今の時期が充実していて
色もピンク・紫・赤・白・黄色・・・と様々。
香りも品種や色によって微妙に違います。
今年は白のヒヤシンスに人気が集まり、先に
完売しました。
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幼いころから匂いに対して敏感だった私は、あらゆるものの
匂いを嗅ぐ、癖がありました。
花や食べ物の匂いはもちろん、本の匂い、絵具の匂い
動物の匂い、昆虫の匂い、路地裏の匂い、土の匂い
森の匂い、雪の匂い、樹液の匂い、川の匂い....
あらゆるものや場所の匂い。
先日、小学校に花を届けた際に、廊下に漂う『ヤマト糊』の
匂いに気がついた瞬間に、ハッとしていまいました。
雨の日に幼稚園のバスからもも組の教室を眺めているシーン。
バスの中で服に付いた糊の匂いを嗅いでいるシーン。
今まで一度も思い出したことがなかったのに。
・・・・『プルースト効果』でしょうか。
匂いとともに思い出す記憶は、具体的なので驚きます。
記憶の底に沈んでしまい、なかなか思い出せない時は
もんもんとしながら、いつまでも思い出すまで探ってしまいます。
お花屋さんに香りはつきものですから、今後、香りを
どのようにお客さまに提案していくかが、重要な課題の
一つだと感じています。
特に卒園・卒業式・発表会などの幼少時の特別なシーン
で贈りものにする際には、香りのある花をおすすめしたいです。
過度なストレスや病気などで自分を見失っている時や
挫折や失敗などで後ろ向きになっている時など
身動きできない状態に陥ってしまった時に
香りそのものの効果や、思い出されるさまざまな記憶によって
一歩を踏み出すきっかけを起こしてくれるかもしれません。
何かを思い出すということは、人生を豊かにし、健全に歩む
術を見出すことの一つだと、私は思っています。